第72回定期全国大会大会宣言

 私たち全法務省労働組合は、9月7日から3日間、滋賀県長浜市において第72回定期全国大会を開催した。大会では、政府の総人件費削減攻撃を跳ね返し、国民犠牲の政治路線の転換と国民本位の公務・公共サービスの拡充、全法務運動のさらなる飛躍をめざして、結成70年をむかえる新たな1年のたたかう方針を決定した。

 安倍政権は、特定秘密保護法、安保法制に続いて、「共謀罪」法を強行成立させ、いよいよ憲法9条に自衛隊を明記する改憲発議に踏み込もうとしている。しかし、7月2日投票の東京都議選で自民党が歴史的惨敗を喫した結果に表れているとおり、内閣支持率は急落し、政権末期の様相を呈している。
 また、安倍政権の経済政策「アベノミクス」は、大企業と富裕層に莫大な利益をもたらす一方で、大多数の国民生活を悪化させ、格差と貧困を拡大させている。
 安倍政権の止まらない暴走は、労働者・国民との矛盾や亀裂をさらに深めており、主権者である国民の生活と権利を脅かす安倍政権に対する国民的なたたかいは草の根から大きく広がっている。
 全法務は、全労連や国公労連に結集し、憲法の擁護・遵守、労働者の雇用とくらし・権利を守り、「誰もが安心して働き続けられる社会」の実現をめざして奮闘する。

 2017年人事院勧告は、月例給・一時金とも4年連続の引き上げとなったが、物価上昇にも満たない生活改善にはほど遠い水準である。また、「給与制度の総合的見直し」の制度完成に伴い、現給保障の経過措置が廃止されることで、該当する多くの職員が賃下げとなる不利益を一方的に押しつけられることは断じて容認できない。
 2018年4月からは、配偶者に係る扶養手当の改悪や、宿舎使用料の引き上げが行われ、また、政府において退職手当の改悪が検討されるなど、いっそうの生活悪化が懸念される。  全法務は、あらためて、「給与制度の総合的見直し」と退職手当の改悪の中止を強く求める。

 職場は、この間の定員削減で、人員不足が恒常化し、組織体制の維持さえも困難な状況となっている。とりわけ、地方の法務局では、登記従事者がわずか2~3人の少人数職場が生じ、行政組織体制として限界を超えている。このことに対する政府の検証は一切行われていないばかりか、検証なしにさらなる合理化目標数が機械的に課せられてきている。定員削減の継続によって、行政サービスの低下は避けられず、当局の強権的な管理強化の影響を払拭できていないなか、職員の長時間過密労働や健康被害がさらに深刻化している。職員の犠牲のもとでしか行政運営が維持できない現状を放置することはもはや許されない。
 私たちは、歴史ある増員闘争における国会請願採択などを背景に、定員削減を阻止し、大幅増員の確保や組織・業務の見直しに向けて法務省当局の責任を徹底的に追及する。

 職場の様々な困難や仲間の苦難を解決し、私たちの切実な要求を実現するためには、強固たる全法務組織の確立は待ったなしの課題である。全法務は、すべての職場で対等な労使関係の確立と組合員参加の日常活動の活性化を図るなかで、組織の強化・拡大に全力をあげている。しかし、全法務の組合員の減少に歯止めがかからない現状を克服するに至っていない。
 全国の職場には、新規採用をはじめ多くの青年層の職員が働いているが、全法務に加入していない者も少なくない。いま組合員一人ひとりに求められていることは、組合員全員が労働組合に対する「連帯意識」を共有し、組合員一人ひとりが労働組合に対する思いを勇気をもって身近にいる青年をはじめ未加入者に語りかけていくことである。
 全法務は、これからも決してあきらめることなく「組織拡大への再挑戦」を精力的に実践していくとともに、全法務の未来のために、本年10月に開催する「全法務青年女性大交流集会」を成功させ、全国の若い仲間の絆を強く確固たるものにするために奮闘する。

 私たち全法務省労働組合は、本大会で決定された方針をすべての職場で実践し、全国津々浦々で組織の総力を挙げてたたかうことをここに宣言する。

 2017年9月9日

全法務省労働組合第72回定期全国大会