更生保護官署は保護観察、仮釈放、更生緊急保護、犯罪予防活動などを行っています

◆更生保護官署◆

 公的な制度による援助と、地域の人たちの温かい理解と協力が犯罪者や非行少年の立ち直りを助けます

保護観察

 更生保護制度の中心となるのが保護観察です。保護観察は、犯罪者や非行少年に対し、生活の目標や指針を定めてそれを守るよう指導する一方、就職の援助や宿泊の提供などの援助を行って、これらの人たちの更生を促そうとするものです。
 成人の場合は、刑の執行を猶予され、かつ保護観察に付された人々と、懲役刑や禁錮刑を科せられて刑務所に収容され仮釈放を許された人々が、執行猶予の期間あるいは仮釈放後の残刑期間、それぞれ保護観察を受けることになります。
 一方、少年の場合、非行があると家庭裁判所に送られ、その決定の一つとして保護観察処分がなされるほか、少年院送致の処分を受けた少年も、その多くは仮退院となり保護観察を受けることになります。

仮釈放と生活環境調整

 刑務所・少年院などに収容されている人々には収容期間が定められていますが、矯正の目的を達したと思われる収容者を、その収容期間が終わる前に、仮に社会へ帰し、本来の収容期間が終わるまでの間、一般社会の中で必要な指導や援助を受けさせることによって、その人がスムーズに社会復帰できるようにするのが仮釈放です。仮釈放(少年院の場合は仮退院)の決定は、地方更生保護委員会によって行われます。
 一方、保護観察所は施設収容者が社会に帰ったときに、その人を取り巻く環境(家族・職場・友人等)が本人の更生を促す上で適切なものとなるよう、その調整を行って仮釈放に備えます。すなわち本人と家族との間の感情の融和に努め、就職先を探し、良くない友だちとの絶縁を図るなどの働きかけをしながら、本人の更生への条件を整えるわけです。このような一連の活動を通じて、施設収容者の社会復帰がより円滑に達せられるわけです。

更生緊急保護

 刑務所を満期釈放された人、検察庁で起訴猶予になった人、あるいは仮釈放期間を終了した人などには、保護観察による国の指導や援助がありませんが、これらの人の中には、釈放後身よりがないため、再び罪をおかすおそれのある人がいます。そこで、保護観察所ではこれらの人々に対し、本人の申出に基づいて就職の援助、宿泊場所や食事の供与、あるいは福祉機関へのあっ旋などの必要な援助を行います。

犯罪予防活動

 保護観察所や保護司は、犯罪・非行の予防のために、世論の啓発や社会環境の浄化に努めています。例えば、座談会、講演会、公開ケース研究会や街頭宣伝活動などを実施して、地域社会が犯罪や非行に陥った人々を受け入れ、その更生を援助していく機能の活性化を促しています。