全法務省労働組合中央執行委員会
政府は12月20日、一般会計総額102兆6,580億円の2020年度政府予算案を閣議決定した。
2020年度の国家公務員の定員査定は、「令和2年度内閣の重要課題を推進するための体制整備及び人件費の配分の方針」(平成元年7月31日内閣総理大臣決定)などに基づき、6,429人を増員する一方で、「定員合理化計画」の具体化として、行政のICT化の活用などによる業務改革の推進等により▲6,716人の定員を削減し、結果として、国家公務員全体で▲287人の定員純減となっている。
なお、上記の増員査定(6,429人)のほかに、時限増員として709人、国家公務員の高齢職員の活躍の場の拡大及びワークライフバランス推進のための定員として389人が別途措置されている。
法務省にかかる定員査定結果は、定員合理化計画数▲1,075人(時限定員含む)を大きく上回る1,554人の増員が査定されたことにより、法務省全体で479人(昨年514人)の定員純増となっている。
全法務が組織されている各部局別では、入国管理官署は「出入国審査体制の整備及び不法滞在対策等」として昨年を下回ったものの416人(昨年470人)の定員純増、更生保護官署は「刑務所出所者等に対する再犯防止対策・社会復帰支援の強化等」として昨年を上回る4人(昨年3人)の定員純増となった一方で、少年院・少年鑑別所は定員純減▲12(昨年▲10)と大変厳しい結果となっている。
法務局では、「遺言書保管制度の導入」、「筆界特定制度の申請適格の拡大」及び「平成28年熊本地震に係る復興のための登記」として登記等に201人、「子ども・若年層を中心とした相談体制の強化」として人権に2人、「屋内型アスベスト訴訟事件の処理体制の強化」として訟務に2人の合計205人(昨年235人)の増員が査定された。要求数の満額確保には至らなかったものの、昨年に引き続き200人を上回る増員査定を得て、3年連続となる純増査定を勝ちとったことは、私たち全法務の増員闘争の大きな成果である。
全法務はこの間、行政サービスの向上と組合員の労働条件の改善、さらには東日本大震災及び熊本地震からの復興事業のための要員確保などをめざして、全国津々浦々で増員闘争を展開し、これまで30年以上にわたって「法務局・更生保護官署・入国管理官署・少年院施設の増員に関する請願署名」の国会請願採択を勝ちとってきた。
また、2019年秋期年末闘争でも、増員請願署名、法務行政相談活動及び街頭宣伝行動など、国公労連の「国民の権利と安心・安全をまもる運動」と一体となった取り組みを展開し、法務行政の役割や繁忙を訴え、行政執行体制の拡充を図るための国民世論を構築してきた。
あわせて、新規施策を推進するための要員の確保、さらには、これ以上削減する職場はどこにもないことを法務省当局に認識させ、最大限の努力を要求してきた。
全法務は、厳しい情勢にあっても、この間の増員闘争に自信と確信を持ち、これまで以上に奮闘する決意をもって、法務行政の拡充に向けた要員確保の要求をかかげ、増員闘争を全国で展開する。
厳しい職場実態や強まる公務員攻撃のなかでも、たたかいに結集された全国の仲間のこれまでの奮闘に心から敬意を表するとともに、引き続き職場・地域からのたたかいに決起することを呼びかけるものである。
以上