平成25年度の定員査定結果について(声明)

 政府は1月29日、平成25年度予算政府案を閣議決定しました。

 平成25年度の定員査定は、2012年12月の衆議院議員総選挙の結果による政権交代に伴い、4年振りに自公政権下におけるものとなりましたが、海上保安庁や防衛省の安全保障・治安分野や東日本大震災からの復興対策に対応する定員を優先的に措置する一方、依然として踏襲されている「国家公務員の総人件費削減」の政府方針が、これまで以上に貫徹された極めて厳しい結果となりました。
行政機関全体においては、概算要求の内容が厳しく精査され、増員要求7,063人に対して4,881人にまで増員が圧縮されるとともに、定員合理化については、概算要求当初の目標数▲6,242人に▲1,013人が追加された結果、平成24年度(▲1,300人)を大幅に上回る▲2,374人の定員純減となっています。

 法務省の定員査定結果は、増員要求1,319人に対して1,014人の増員が措置されることとなりました。  しかしながら、平成24年度の1,060人の増員(定員純増93人)を下回っているばかりでなく、追加の定員合理化▲177人と「業務見直し」▲46が一方的に押し付けられたことから、定員合理化が▲1,187人にまで増大し、全体で▲173人という近年にない大幅な定員純減となっています。

 各部局別においては、更生保護官署が14人、入国管理官署が4人の定員純増、少年院・少年鑑別所が▲11人の定員純減となりました。  これまで政府方針として治安分野への増員が重視されてきたものの、保護観察官が定員純増減0人となったことをはじめ、入国管理官署における「査定率」が5割を下回ったことなど、これら治安分野への定員査定にあたっても、極めて厳しく抑制された結果となっています。

 法務局においては、「いじめ」対策の重要性がクローズアップされているなか、人権において2年連続の「ゼロ査定」となったものの、監査専門官12人の「満額査定」や、B型肝炎訴訟処理体制の充実強化に係る訟務官28人をはじめ、東日本大震災からの復興対策に係る登記官17人の増員が得られるなど、その「査定率」(約84%)は相対的に高く、全法務の増員闘争の成果といえます。
しかしながら、追加の定員合理化▲42人の上乗せが強行されたことに伴い、全体で69人の増員があったにもかかわらず、▲203人という平成24年度(▲197人)を上回る大幅な定員純減となりました。
職場の恒常的な繁忙実態や国の出先機関である法務局の機能・役割の重要性、さらには、2009年まで30年連続で採択され、第177回及び第180回通常国会においても再び採択されている増員の国会請願の趣旨などを踏まえれば、政府の硬直的な姿勢に基づくこれら定員査定結果は、断じて容認できるものではありません。
とりわけ、追加の定員合理化は、平成26年度の「前倒し」ともいわれているものの、それすらも何ら根拠のないものであり、民主党政権下において「国家公務員の総人件費2割削減」に固執した定員合理化と不合理な新規採用抑制などを強行してきたことに伴い、行政執行体制の脆弱化を招いていることへの反省もなく、行政管理責任を放棄するかのような政府の姿勢は、法務局の職場実態を直視しない極めて不当なものです。

 全法務はこの間、行政サービスの向上と組合員の労働条件の改善、さらには、東日本大震災からの復興対策のための要員体制の整備をめざして、全国津々浦々で増員闘争を展開してきました。
また、2012年秋期年末闘争においては、国公労連が提起する「総対話MAP運動」との連携を追求しつつ、法務行政相談活動などの取り組みを展開するとともに、国会議員要請や地方議会要請などのあらゆる行動をつうじて、法務行政の役割や職場の繁忙実態を訴え、国民世論を構築するために奮闘してきました。
厳しい職場実態や強まる公務員バッシングのなか、増員闘争に結集された全国の組合員のこれまでのご奮闘に心から敬意を表するとともに、引き続き職場・地域を軸としたたたかいに決起することを呼びかけます。

2013年1月30日
全法務省労働組合中央執行委員会