2010年中央委員会闘争宣言

闘争宣言

 2010年春闘は、依然として深刻な雇用危機と一部輸出型大企業を除く経営危機が進行しているなかでたたかわれている。世界経済は米国発の景気後退から脱却できず、失業率は最悪の水準で推移している。日本経済も米ドルの信頼低下などを要因とした円高・株安で推移し、経済の低迷から深刻な雇用情勢が続いている。
 日本経団連は1月19日、「経営労働政策委員会報告」を公表し、「ベースアップは困難とする企業が多数にのぼる見込み。」などとして、賃上げを頭から否定している。また、「雇用の安定・創出」を明記しているが、日本型ワークシェアリングなど賃下げを伴う内容であり、賃下げの口実にしようとしている。
 こうした状況のなか、新政権のもとで国民的要求前進の可能性が広がっている。私たちは昨年の総選挙で、「国民の声と運動で政治は変えられる」ことを実証した。労働者・国民の切実な要求実現のカギは、国民世論の構築であり、今、職場・地域から運動を展開することが強く求められている。

 賃金改善をめぐっては、格差と貧困が拡大し、ワーキングプアの増大など深刻な雇用破壊と労働者・国民の生活危機が深まるなか、内部留保の社会的還元など大企業の責任を追及するとともに、雇用の拡大や賃金の底上げによる経済の内需拡大への転換が重要となっている。
全法務は、2010年春闘の国民的発展をめざし、職場・地域を基礎とした官民一体の運動を国公労連・県国公に結集してたたかう決意である。

 公務行政と公務員労働者をめぐって、地域主権・国の出先機関改革が重要な場面を向かえる。民主党が掲げる「地域主権」は、国と地方の役割を否定し、「二重行政やムダの排除」と称して国の責任を放棄する、これまでの自公政権がすすめてきた「地方分権」と変わらず、「国の出先機関は原則廃止、国家公務員総人件費の2割削減」などきわめて乱暴な方法で、改革をすすめようとしている。
「公共サービス効率化法」に基づく乙号の包括的民間委託では、価格競争が激しくなり、その影響を受ける受託事業者の従業員の雇用継続や、労働条件の切り下げが重大な問題になっている。

 増員課題では、民主党の「公務員総人件費の2割削減」の方針や2010年度以降の「新たな定員合理化計画」、「国の行政機関の定員の純減について」など定員抑制政策の厳しい情勢のなかで、第173臨時国会では増員請願の「30年連続国会請願採択」を勝ち取った。こうしたたたかいの結果、更生保護官署、入国管理官署、少年院・少年鑑別所で純増を勝ち取った。一方、法務局では定員合理化と乙号包括的民間委託における削減により613人もの純減となった。しかし、登記では厳しい状況のなかで、「地図整備事業」や「筆界特定」などで増員を確保した。
2010年春闘では、09秋期年末闘争で集約した国会請願署名の31年連続採択に向けて奮闘するとともに、要員確保に向け増員闘争を通年闘争として取り組む決意である。

 全法務省労働組合に結集する全国の仲間は、2010年春闘勝利、切実な諸要求実現に向け、中央委員会で決定された方針に確信を持ち、「守ろう、いのちと健康 たたかおう、仲間をふやし 国民とともに」をスローガンに広範な民主勢力、勤労国民と連帯し、組織の総力を挙げて奮闘することを、ここに宣言する。

  2010年1月22日
全法務省労働組合 第113回中央委員会